取適法(※2026年1月施行済)への対応、大丈夫ですか? IT発注担当者が確認しておきたい4つの基本義務

「取適法(とりてきほう)って、うちの会社にも関係あるのかな?」
システム開発やWeb制作を外注している企業の担当者様から、このようなお声をよく耳にします。
2026年1月にスタートした「取適法(中小受託取引適正化法)」ですが、すでに施行されてから半年ほどが経ちました。
「実はまだ、自社が対象なのか確認できていない」
「以前、下請法は対象外だと確認したから大丈夫なはず……」
日々の業務に追われる中で、そんな不安や疑問を抱えている方も少なくないようです。
しかし、今回の法改正では「以前の判断」がそのまま当てはまらないケースがあるため、注意が必要です。
今日は、すでに施行されている取適法の基本と、IT系の発注企業が今すぐ確認しておきたいポイントをやさしく解説します。
そもそも「取適法」で何が変わったの?
取適法は、これまでの「下請法」が新しく生まれ変わる形で、2026年1月1日に施行された法律です。
取適法(中小受託取引適正化法)とは?
正式名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」といいます。立場の弱い中小の受注者を保護し、お互いに対等でクリーンな取引を行うための法律です。
一番の大きな変更点は、「誰が対象になるか」の基準がグッと広がったことです。これまでの下請法は、発注者と受注者の資本金の組み合わせで対象かどうかを判断していました。しかし今回の取適法では、新しく「発注者と受注者の従業員の数」という基準が追加されたのです。しかも、商取引の内容によりパターン分けがあり、かなり複雑です。

「うちは関係ない」と思っていたのにまさかの……専門家への相談がお勧めです。
「うちは資本金が小さいから対象外のはず」と思っていた企業様でも、従業員が多い場合は新しく法律の対象になるケースが出てきています。
取適法の適用基準は、上記の図解のように細かく定められており、一概に「うちは関係ない」とは言えないケースが増えています。特に今回の改正により、これまで対象外だった企業も対象になる場合があります。自社が対象かどうかの判断に迷う場合は、行政書士や弁護士などの専門家にご相談ください。
発注する側に課される「4つの基本義務」
もし自社が取適法の対象になる場合、発注担当者様が守るべき主な義務は以下の4つです。
① 発注内容をはっきり形に残す(明示義務)
口頭だけの「とりあえずやっておいて」は認められません。業務内容、金額、支払期日などを書面やメールできちんと伝える必要があります。
② 支払期日は「60日以内」にする
成果物を受け取った日から数えて、60日以内の出来るだけ短い期間に支払日を設定しなければなりません。
③ 取引の記録を2年間残す
発注書や検収書などの取引記録は、2年間保存する義務があります。
④ 価格の話し合い(協議)に応じる
外注先から「仕様変更や物価高に伴い、価格を見直したい」と言われた場合、正当な理由なく拒否してはいけません。必ず値上げに応じる義務ではありませんが、「誠実に話し合いの場を持つこと」が義務付けられています。

既存の「業務委託契約書」、そのままで大丈夫ですか?
法律が変わったことで、これまでの古いフォーマットのまま業務委託契約書を使い続けていると、思わぬところで法律違反になってしまうリスクがあります。
特にIT開発の現場では、基本契約書と個別契約書を組み合わせて運用することが多いですよね。
新しく義務付けられた明示事項が、契約書の中に漏れなく入っているか
支払条件の定めは、本当に新しい法的な基準(60日以内)を満たしているか
途中で仕様変更が起きたときの、追加費用のルールは明確か
これらを今のうちに一度チェックしておくことが、未来のトラブルを防ぎ、外注先との信頼関係を守る「予防法務」に繋がります。
取適法は「これから準備する」のではなく、すでに施行されて動いている法律です。現時点の契約書に問題がないか、早めの見直しをおすすめします。
まとめ
「うちの会社は本当に取適法の対象になるのかな?」
「今の契約書の書き方で、新しい法律をクリアできているか不安……」
日々の業務に追われる中で、慣れない法律のチェックまで担当者様が一人で抱え込むのは本当に大変なことです。
当事務所では、IT現場の実務経験を持つ行政書士が、皆様のビジネスの実態に寄り添い、外注先との信頼関係を守る契約書づくりをサポートしています。
まずは今のご状況や気になることを気軽にお聞かせください。
付録:無料で試せるオリジナルチェックシート
ここまでお読みいただきありがとうございます。
取適法への対応状況が簡単に確認できる当事務所製のチェックシートをご用意しました。
実際にタップ(クリック)でチェックを入れて、不足分を明確にすることができます。
自社の契約書・発注書の現在地を知るためにぜひご活用ください!
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