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【発注者向け】開発してもらったシステムの...

2026.07.05

IT法務

投稿者:田口 久美子

【発注者向け】開発してもらったシステムのソースコード、本当に「自社のもの」になっていますか?

「外注で開発してもらったシステムのソースコード、うちのものですよね?」

システム開発を発注した経験のある方なら、一度は気になったことがあるのではないでしょうか。実は、法律上の答えは「契約で定めていなければ、開発会社のもの」になります。お金を払って作ってもらったのに——と驚かれる方も多いのですが、これが著作権法の原則です。

行政書士として開発契約書の作成・見直しに携わる中で、「著作権の話を契約前に確認していなかった」というご相談は少なくありません。今日は、発注者が知っておくべきソースコードの著作権と、契約書での適切な取り決め方についてやさしく解説します。

ソースコードの権利は原則として開発会社のもの

著作権法の原則は、著作物を創作した人が著作権を持つ、というものです。そしてソースコードは著作物として保護されており、それを書いたエンジニア(または所属する開発会社)に著作権が帰属します。

せっかく発注者がお金を払って開発してもらっても、「著作権を譲渡する」という合意がなければ、著作権は受注者側に残ってしまうんです。つまりこの場合、発注者は「そのシステムを使う権利(ライセンス)」を得ているに過ぎないのです。

著作権の譲渡とは?
著作権を元の権利者から別の人・会社に移すこと。契約書に明記しないと成立しません。「お金を払ったから当然、著作権はうちのもの」とはなりません。

自社システムなのに自由に触る権利がない

普段システムを使っているだけであれば、著作権の帰属を意識する場面はないかもしれません。ところが、次のような状況になったとき、著作権の取り決めがないことが大きな障壁になります。

よくあるのが、こんなケースです。

ある開発会社と長年にわたるおつきあいをしていた。やがて関係が終わり、別の開発会社にシステム改修を依頼した。すると、担当者から予想外の反応が。
「著作権譲渡の契約を交わしていなかったようですので、このコードの権利はその前任の業者さんがお持ちです。著作権違反になるため当社では触れられません」
結果として、ゼロからシステムを作り直すことになり、多大な費用と時間がかかってしまった……

というものです。

同様に、開発会社が倒産・廃業した場合も、著作権の扱いが不明確だと別業者へのメンテナンス依頼の障害になりがちです。「自社で作ったシステムなのに、自由に触れない」という状況は、事業の継続性にも関わる問題です。

契約書でどう定める?著作権記載の3大パターン

開発契約書には、著作権の帰属について明確に定めておくことが重要です。選択肢は大きく3つです。

① 著作権を発注者に譲渡する
発注者がソースコードに対して全権を持ちます。開発会社を変更する場合や、自社でコードを改修したい場合に有効です。発注者にとって最も安心できる選択肢ですが、受注者側が難色を示すケースもあり、その際は交渉が必要になります。

② 著作権は受注者が保持し、発注者に利用許諾(ライセンス)を与える
受注者がコードの著作権を持ちつつ、発注者に使用を許可する形です。受注者が同じコードを他のプロジェクトにも流用したい場合に選ばれます。発注者としては、利用許諾の範囲(改修の可否・第三者への再委託の可否など)を契約書でしっかり確認しておくことが大切です。

③ 共有著作権とする
双方が共同で権利を持つ形です。ただし、共有著作権は単独での行使に制限があるため、実務上は取り扱いが複雑になりやすく、注意が必要です。

著作権の帰属パターン3種類

どの選択肢がベストかは、システムの性質や事業計画によって異なります。「将来的に開発会社を変える可能性があるか」「自社でコードを改修したいか」を整理した上で、契約前に交渉しておくことが大切です。

「第三者のコード」が混入していないかも確認を

もう一点、発注者として押さえておきたいのが、オープンソースのライセンス問題です。

現代のシステム開発では、無償で公開されているプログラム部品(オープンソース)を組み合わせて開発することが一般的です。ただし、こうした部品には「使っていい条件」がそれぞれ定められており、条件によっては自社システムのソースコードを外部に公開しなければならないケースもあります。

「納品されたシステムに、条件的に問題のあるプログラム部品が使われていた」というトラブルも起こりえます。開発契約書に「第三者の知的財産権を侵害しないことを保証する」という条項を入れておくことで、こうしたリスクを受注者側に明示的に負わせることができます。

著作権の取り決めは、開発前に

著作権の帰属は、システム完成後に変更することが難しい問題です。「納品されてから気づいた」では、交渉の余地がほとんどなくなってしまいます。

開発契約書への著作権条項の追加・契約書の新規作成・見直し・ライセンス条項の整備など、ご状況に合わせてご対応しています。「著作権の取り決めを契約書に盛り込みたい」という方も、まずはお気軽にお問い合わせください。

付録:無料で試せるオリジナルチェックシート

ここまでお読みいただきありがとうございます。

開発契約書の著作権リスクが簡単に確認できる当事務所製のチェックシートをご用意しました。

実際にタップ(クリック)でチェックを入れて、不足分を明確にすることができます。

自社の契約書の現在地を知るためにぜひご活用ください!

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